予防歯科・クリーニング
歯を失う原因の第一位が歯周病、2位が虫歯だと言われています。
歯医者というと、「痛くなってから行く」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
予防歯科は、「虫歯や歯周病になってから治す」というより「お口の病気を未然に防ぐ」ことを目的とした取り組みです。
藤沢石川パール歯科では、患者様の大切な歯を一本でも多く守るため、この予防歯科を積極的に推奨しています。
きちんと磨いているのに虫歯や歯周病になる原因
歯ブラシだけでは落としきれない汚れがある
歯ブラシのみで落とせる汚れは、全体の約60%だと言われています。
お口の中には様々な菌が住んでいて、その菌が混ざりあった結果「バイオフィルム」という歯垢の塊になっていきます。このバイオフィルムは非常に粘着性が高いので通常のブラッシングだけでは除去しきれません。
例えば、お風呂や排水溝にできるヌルヌルした汚れも同じバイオフィルムです。
歯の間や奥歯などの磨きづらい部分に残ったバイオフィルムは時間とともに固まっていき、歯石となっていきます。
こうなるとセルフケアでは落とせず、放置してしまうと虫歯や歯周病が進行してしまいます。
歯並び・噛み合わせ・磨きグセによる磨き残し
利き手側は歯ブラシの持ち方や力の入れ具合でどうしても磨き残しが起きやすい部分です。
また、歯が重なっているところや奥歯の裏側は歯ブラシが届きづらくなります。
磨く順番や、自分にあったケアグッズ（フロスや歯間ブラシ、タフトなど）を上手に使用することで約90%の汚れはセルフケアで除去できると言われています。
「どれを選べば良いのかわからない」と迷われる方のために、当院では患者様一人ひとりにあったケアグッズや磨き方の指導をしております。
唾液量や生活習慣、歯質も関係している
唾液は自浄作用によりお口の中を清潔に保つ他、酸性に傾いた口内環境を中和する作用もあります。
加齢やストレス、飲んでいるお薬等の影響で唾液の量が減少すると、虫歯や歯周病のリスクが高まる傾向に。
また、歯のエナメル質が何らかの原因で薄かったり弱い場合も虫歯になりやすいですが、ご自身では判断することが難しいです。
こうしたリスクを正しく把握するためにも、歯科の専門家によるチェックを受けて、一人ひとりの状態に合った予防アプローチをしていきましょう。
このような方は予防歯科・歯のクリーニングがおすすめ
虫歯になりやすい・歯石がつきやすい方
虫歯や歯石のつきやすさは歯質や唾液の性質、口内環境によって個人差があります。そのため、
きちんとセルフケアしていても気づかないうちに虫歯が進行してしまったり、歯石が溜まってしまうことも。
定期的に歯科医院で検診を受け、専門的なクリーニングを受けることは、トラブルを早期に防ぐことにつながります。
持病があり、健康管理に気をつけている方
歯周病の治療や予防をすることで、血糖値の改善や心筋梗塞などの心疾患にかかるリスクを下げられるという研究報告もあります。
生活習慣だけでなく、歯周病による慢性的な炎症や細菌感染が全身に影響を及ぼすことがわかってきているのです。
専門的なクリーニングを定期的にうけることで、口内の細菌量をコントロールすることができるため、その結果全身の健康維持につながっていくと考えられています。
インプラントや入れ歯・被せ物を使用している方
一度インプラントや入れ歯・被せ物を入れると、自身の歯と被せ物の隙間から虫歯になりやすかったり、「インプラント周囲炎」という炎症を起こす場合があります。
こうなってしまうと被せ物を外しての再治療が必要になったり、重症化すると周囲の歯に影響してしまう可能性もあるのです。
定期的なメンテナンスでは、歯と被せ物・インプラントの境目に溜まった汚れを専用器具で取り除いたり、歯ブラシが届きにくい部分まで丁寧に清掃を行うことができます。
また、必要に応じてレントゲン撮影を行うことで、虫歯や炎症の早期発見につながり、こうした継続的なケアをすることで人工の歯をできるだけ長く、良好な状態で保つことができます。
予防歯科の3つのメリット
虫歯・歯周病の早期発見と進行予防ができる
初期の虫歯や歯周病であるほど、治療時の痛みは少なく済むか、ほとんど痛みを感じずに処置することが可能です。
自覚症状がでてからの治療だと、進行度合いによっては麻酔が必要になったり、大きく歯を削る場合があるため、歯科治療のハードルが高くなりがちです。
初期段階で発見できれば麻酔も不要で削る範囲も最小限に抑えた治療を受けられますが、一度削ってしまった歯は、残念ながら自然に回復することはありません。削れば削るほど歯の寿命を縮めてしまうのです。
大切な歯を一本でも多く守るためには毎日の丁寧なセルフケアと、定期的な歯科検診を受けることが重要になってきます。
お口の健康が全身の健康維持につながる
歯周病菌は歯ぐきから血管内に入り込み、全身に影響を及ぼすことがあります。
具体的には誤嚥性肺炎・糖尿病・心疾患・脳疾患のほか、妊婦さんにとっては早産のリスクを高める可能性も報告されています。
そのため、お口を健康に保つことは全身の病気を予防することにもつながるのです。
天然の歯がしっかり生え揃っていると自分の歯でしっかり噛むことができ、脳の活性化や筋力維持にも役立ちます。 また、栄養バランスの取れた食事ができたり、踏ん張りがきくため運動機能の維持にもつながります。
重症化を防ぐことで、将来的な治療費や通院回数を抑えられる
痛くなってから・歯がグラグラしてきてからなど自覚症状がでているとある程度虫歯や歯周病が進んでいる可能性があり、治療のために複数回通院する必要が出てきます。
治療する歯の本数が増えるほど通院回数や費用が増えてしまうため患者様の負担も増えてしまうでしょう。
定期検診にも費用はかかりますが、長い目で見た場合、重症化してから治療に通うよりも数ヶ月に一度の定期検診のほうが負担が軽く済むと考えられます。
当院の予防歯科・歯のクリーニングの特徴
唾液検査で「虫歯リスク」を見える化する
少量の唾液から、自身のお口の健康状態を調べることが出来ます。
この唾液検査によって口内環境を科学的に分析し、一人ひとりにあった最適なケア方法を知ることができるため、自分のお口の状態に合わせたケア方法を知ることができ、その結果予防意識を高めることにつながります。
担当衛生士が一人ひとりの口腔状態を継続管理
歯のクリーニングや歯磨き指導は、専門的な知識を持った歯科衛生士が担当します。
当院では歯科衛生士の担当制度を導入しており、毎回同じ衛生士がお口の中をチェックすることで患者様本人が気付かない口内変化もいち早く気づくことができます。
担当制で長くコミュニケーションを取っていくことでお互いの信頼関係を築く事ができるため、患者様と二人三脚でお口の健康を守っていけるのです。
エアフローで痛みなくツルツルの歯に
エアフローとは、微細なパウダーを歯に吹き付けることで、歯の表面や歯の間にたまった汚れ・着色を優しく取り除くクリーニング方法です。
特に以下のようなケースに効果があります。
- コーヒー、ワイン、タバコによる着色
- 機械が届きにくい部位の汚れ
- インプラントなどセルフケアが難しい部位
器具を直接歯に当てることがないため、痛みや振動が少なく、不快感も少ないのが特徴です。歯ぐきの間にもパウダーが入り込み、細かい汚れまでしっかり除去できるため、歯周病予防にも効果が期待できます。
なお、患者様のお口の状態により、保険診療または自由診療になる場合があります。
※以下の方はエアフローを受けられない可能性がありますのでご注意ください。
- 高ナトリウム血症の方
- 妊娠中の方
- 呼吸器疾患のある方
- 放射線治療中の方
歯科医院で行うプロのクリーニングとは？
歯や歯ぐきの検査
クリーニングの前に口内をチェック。
虫歯や歯周ポケットの深さ、出血の有無や歯がぐらついていないかを専用の器具を使用しながら検査し、結果を基にクリーニングや治療の内容を決めていきます。
スケーリング
歯垢（プラーク）が固まってしまうと、時間とともに歯石が形成されてしまいます。一度歯石になってしまうと歯磨きや歯間ブラシなどのセルフケアでは落としきれなくなってしまうのです。
そこで歯科医院のクリーニングで最初に行うのが「スケーリング」と呼ばれる処置です。
スケーリングではスケーラーという専用器具を使用して歯石を除去していく処置で、スケーラーは手動のものと超音波の衝撃波によって歯石を砕くものがあります。
超音波のスケーラーは歯石除去の効果が高い反面、しみるような感覚や、「キーン」という音による不快感を感じる方も。
スケーリングできれいにする範囲は、主に歯ぐきから上の歯冠部分や歯周ポケットの浅い部分が中心で、歯ぐきの中の深い部分にまで歯石ができている場合はルートプレーニングによってさらにしっかりと歯石を除去していきます。
ルートプレーニング
歯周ポケットの深い部分にできてしまった歯石を取り除くことを「ルートプレーニング」と呼びます。
歯周病が中程度まで進んでしまうと、歯の根っこなど、見えにくい部分にも歯石が付着してしまうことがあるのです。
ルートプレーニングでは歯根の表面についた歯石や細菌をきれいに除去し、滑らかに整えていきます。歯ぐきの中の深い部分という、目で見えにくい場所の歯石取りになりますので1回でお口全体を処置することは難しいため、複数回通院していただく必要があります。
また、施術に痛みを伴う場合は麻酔を使用しながら処置を行います。
歯磨き指導
歯磨き指導では、歯科衛生士が日常のセルフケア方法をお伝えしています。
虫歯や歯周病予防には、毎日の適切なセルフケアも欠かせません。
検査やクリーニングの結果を基に、磨き残しが多い場所や炎症が起こりやすい場所など患者様一人ひとりに合わせた歯磨き方法や、歯間ブラシやフロス等の補助的なケアグッズの使い方をご説明していきます。
毎日のセルフケアで歯垢（プラーク）を減らすことができれば、お口の中の細菌量をコントロールすることができ、結果虫歯や歯周病の予防だけでなく全身疾患のリスク軽減にもつながっていくのです。