藤沢市の歯医者 藤沢石川パール歯科

歯周病

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歯周病とは

歯を失う大きな原因の一つが歯周病です。厚生労働省の調査では、国民の35〜69歳の約7割が歯ぐきに何らかの異常(炎症などの所見)を持っていると報告されており、多くの人が気づかないうちに進行している病気でもあります。
参照文献:厚生労働省 「歯周病罹患の現状と対策について」

歯周病とは、歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨といった歯を支える「歯周組織」に起こるすべての疾患を総称したものです。

炎症が歯ぐきにとどまる状態を歯肉炎、歯槽骨まで進むと歯周炎と呼び、放置すると歯がぐらついたり噛みにくくなったりすることがあります。

成人の約7割が歯周病にかかっているとの報告もあり、初期段階では自覚症状がほとんどないため気づきにくいです。

日々のセルフケアだけではなく、歯科医院で定期検診や歯のクリーニングを受けることで予防や早期発見が可能なため、症状がない段階でもこまめにチェックやケアを受けることが大切です。

歯周病の原因

細菌による感染症であること

歯周病の主な原因は「細菌感染」です。お口の中には数百種類もの細菌が生息しており、歯をきちんと磨いている方でも1000〜2000億個、ほとんど磨かない方では1兆個以上の細菌が存在するといわれています。

これらの細菌は空気を嫌う性質を持つものが多く、歯ぐきの中は増殖しやすい環境です。細菌が増えると歯肉に炎症が起き、歯肉炎から歯周炎へと進行します。

さらに炎症が長く続くと、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい、歯がぐらついたり噛みにくくなることがあります。

歯垢(プラーク)とバイオフィルム

細菌が増殖すると、歯の表面にネバネバした塊が作られます。これが「プラーク(歯垢)」です。舌で触るとザラつきや粘つきを感じることがあります。

プラークが成熟すると、強固な膜状の「バイオフィルム」に変化し、歯の表面にしっかり付着します。また、歯石として硬く固まると、セルフケアでは取り除くことがさらに難しくなり、専門的なクリーニングが必要になります。

生活習慣や全身状態の影響

以下の要素がある方は歯周病の発症リスクや重症化リスクが高くなります。

  • 喫煙(非喫煙者の3倍以上のリスク、ガイドライン準拠)
  • 糖尿病(相互作用で悪化しやすい)
  • 免疫力の低下、ストレス、加齢
  • 遺伝因子の関与
  • 口腔ケア不足

これらの要因が重なるほど歯周病は進行しやすくなるため、ご自身の生活習慣や体調を少し意識するだけでも予防につながります。気になる症状がある場合は、早めに歯科でチェックしておくと安心です。

歯周病の進行度

歯周病は、いきなり歯がぐらつくほど悪化するわけではなく、少しずつ段階的に進行していきます。
どのような段階があるかを知っておくことで、ご自身のお口の状態を把握しやすくなり、日々のセルフケアや歯科受診の目安にもなります。

歯周病のイメージ画像

歯肉炎(軽度)

お口の中の細菌が歯肉に入り込むと、歯ぐきに炎症が起こります。この状態が「歯肉炎」です。歯ぐきの赤み・腫れ・歯磨き時の出血などが見られることがあります。

「歯を磨いたときに血が出る」という症状は、この段階でよくみられます。

歯肉炎の段階では骨の吸収はまだ起こっておらず、適切なセルフケアで改善が期待できます。

ただし、自分では磨きにくい場所に汚れが残っていることも多いため、軽度の段階でも歯科医院でのチェックや歯磨き指導を受けることで、より確実に予防していくことができます。

軽度歯周病

歯肉炎が続くと、歯を支える骨が少しずつ吸収され始めます。歯と歯ぐきの境目には「歯周ポケット」と呼ばれる浅い溝があり、健康な状態では1〜2mmです。軽度の歯周病では、この深さが3〜4mmほどに広がります。

この段階では、口臭が気になったり、歯がムズムズするような違和感を感じることがあります。噛んだときに軽い不快感が出る場合もあり、歯周病のサインが少しずつ現れ始める時期です。

中度歯周病

中程度まで進行すると、歯を支える組織の破壊が明らかになり、歯がぐらつき始めます。口臭が強くなる、噛むと痛む、歯ぐきが下がって歯が長く見えるなど、見た目や機能の変化で気づく方も多い段階です。

歯周ポケットは5〜7mmと深くなり、歯槽骨の吸収も1/3〜2/3程度まで進行します。歯の根の表面には汚れが強く付着し、細菌の毒素によってセメント質(根の表面の組織)が変質することもあります。

このため、通常のクリーニングだけでは改善が難しく、歯周外科治療を検討する場合もあります。

重度歯周病

歯周病が大きく進行した、いわゆる末期の状態です。歯を支える骨の吸収が大幅に進み、歯周ポケットも7mm以上と非常に深くなります。

歯が大きくぐらつき、膿が出たり、強い口臭が生じたりすることがあります。硬いものを噛むことが難しくなり、自然に歯が抜けてしまうケースもあります。

この頃には歯の根の表面も細菌の毒素によって大きく傷み、通常のクリーニングでは改善が難しい状態になります。自覚症状がはっきり出るため、多くの方がこの段階で初めて歯周病を自覚することが少なくありません。歯槽骨の吸収が2/3以上進んでいることが多いため、歯を失うリスクが高くなります。

歯周病による症状

歯周病の痛みを感じる女性の画像

歯ぐきの炎症と出血

歯周病の初期には、歯ぐきの赤みや腫れ、ブラッシング時の出血が見られることがあります。痛みが少ないため見逃しやすいサインです。

歯周ポケットの深まり

歯周病が進むと、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」が深くなります。歯周ポケットは空気を嫌う細菌(嫌気性菌)が増えやすいため、深くなるほど細菌が繁殖しやすい環境になります。

さらに炎症が続くと、歯ぐきが下がって歯が長く見えるなど、見た目の変化に気づく方もいます。歯肉が下がると汚れがたまりやすくなり、歯周病が進行しやすい状態になります。

治療では、この歯周ポケットの深さを専用の器具で定期的に測定し、進行度を確認しながら治療を進めていきます。

歯の動揺・噛みにくさ

歯を支える骨が吸収されてくると、歯がぐらつき始め、噛んだときに痛みや違和感を覚えるようになります。
しっかり噛めない状態が続くと、歯槽骨への刺激が減り、さらに骨の吸収が進んでしまうことがあります。食事を楽しみづらくなるだけでなく、全身の健康にも影響しやすい段階です。

口臭や膿

歯周病が進行すると、歯周ポケットの細菌がタンパク質を分解し、強いにおいを伴うガスを発生させます。これが歯周病特有の口臭の主な原因です。

炎症がさらに進むと、細菌と免疫反応によって歯ぐきの中に膿が溜まることがあります。膿には細菌や壊れた組織が含まれるため、排膿時には強い悪臭を伴うことがあります。

口臭や膿は進行が進んでいるサインのため、早めの受診が大切です。

早期発見で負担を最小限に

歯周病は早い段階で見つかるほど、治療の負担を小さく抑えられます。進行すると通院回数や費用が増えるだけでなく、処置に麻酔が必要になる場合もあります。

症状が出ていなくても定期的に検診を受けておくことで、結果的に早期のケアが可能になり、治療の負担も軽減できます。

藤沢石川パール歯科の歯周病治療への取り組み

当院では、歯周病を「治す」だけではなく、「進行させない・再発させない」ことを大切にしています。
そのために、日々のセルフケアだけでは防ぎきれない部分を歯科医院でしっかり補えるよう、予防歯科の考え方に基づいた取り組みを行っています。

歯周病のイメージ画像

歯科衛生士の担当制による継続的ケア

当院では担当衛生士制度を導入し、毎回同じ衛生士が患者さまを継続してサポートしています。

お口の状態や生活習慣、歯みがきの癖など、一人ひとりの背景を理解したうえでケアを行うことで、よりきめ細かな予防が可能になります。

小さな変化にも気づきやすく、歯周病の早期発見・早期対応にもつながります。また、セルフケアの方法も一貫してお伝えできるため、日々のケアの質を安定させやすいのも大きなメリットです。

歯周外科治療(FOP・APFなど)

歯周外科治療は、通常のクリーニングでは届かない深い部分に入り込んだ歯石や感染組織を取り除くための方法です。歯肉を開いて視野を確保することで、原因をしっかり取り除き、再発を防ぐ環境に整えていきます。

FOP(フラップ手術)は感染源の除去を目的とした基本的な外科処置、APF(歯肉弁移動術)は清掃しやすい形に整えるための処置です。

どちらも、歯周病の進行を止めるうえでとても重要な役割を果たします。

歯周再生療法(リグロス・エムドゲイン)

歯周病で失われた歯槽骨や歯根膜などを回復させることを目指すのが、歯周再生療法です。当院では、必要に応じてリグロスやエムドゲインといった再生材料を使用する場合があります。

骨の形や炎症の状態など、さまざまな条件を見極めたうえで、「再生が見込めるケースのみ」に慎重に選択します。

無理に行うのではなく、お口の状態に合わせて必要なタイミングで適切にご提案することを大切にしています。

歯周病を放置するリスク

歯周病を気にする女性の画像

噛みにくくなることで起きる全身への影響

歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が少しずつ吸収され、歯の固定力が弱まっていきます。その結果、硬いものが噛みにくくなったり、噛んだときに痛みを感じることが増えてきます。

しっかり噛めない状態が続くと、食事内容が偏りやすくなり、栄養が十分に取れない原因になることがあります。また、噛む刺激が減ることで筋力が低下し、全身のバランスや姿勢にも影響が出るとされています。

全身疾患との関連

歯周病は、特に糖尿病との関係が強いと言われています。

糖尿病によって免疫機能が低下すると歯周病が悪化しやすくなり、逆に歯周病の炎症が続くと血糖コントロールが難しくなることも示唆されています。

また、狭心症・心筋梗塞などの心血管疾患、脳梗塞、慢性腎臓病などとの関連が指摘されており、炎症が全身に影響を及ぼす可能性があると考えられています。

早産や低体重児出産との関係

妊娠中はホルモンバランスの影響で歯ぐきが腫れやすく、歯周病が悪化しやすくなります。歯周病が早産・低出生体重児のリスク因子となりうる可能性が示唆されており、妊娠中の口腔ケアの大切さが強調されています。因果関係を断定するものではありませんが、妊娠期の定期検診と日常のセルフケアは母子ともに安心して過ごすためにとても重要です。

予防のために知っておきたいこと

歯周病が進行しやすい人の特徴

歯周病は、毎日のケアや定期的な歯科検診で予防しやすい病気です。
ただし、持病や生活習慣、口腔ケア不足などで歯周病は進行しやすいと言われており、体質が影響する場合もあります。

自分のリスクを知っておくことで早めの対策につながるでしょう。

日常で気を付けたいポイント

日常生活では、歯ブラシに加えて歯間ブラシやフロスを使って、歯と歯の間の汚れをしっかり落とすことが大切です。

食事のバランスに気を付けることや禁煙、ストレス管理なども、歯ぐきの健康を守るうえで役立ちます。

継続的なメンテナンスの重要性

歯周病の予防と再発防止には、継続的なメンテナンスが欠かせません。バイオフィルム(細菌の膜)は家庭でのケアだけでは完全に取り除けないため、当院では最低でも3ヶ月に1度の頻度で通っていただいております。

定期的なチェックで、歯ぐきの小さな変化にも気づきやすくなり、長く健康なお口を保つことができます。

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